人間は無力な生き物だ。所詮、食べたものと気候に左右される。
気分も体調も、自分でコントロールすることはできない。
せいぜい、気を付けることで、ましにするくらいのものだ。
気候に対抗することは不可能だから、気候に合わせた体を作りたいと願って、食べ物や生活に気を付ける。
体が痛いとメンタルがやられ、メンタルがやられると、体が痛くなる。悪循環だ。
養生したくても、できない状況の時のほうが多い。
仕事が忙しければ不可能だ。
工夫することはできるけれど、悪循環のサイクルに巻き込まれたら、体の不調をごまかすためにハイカロリーの食べ物や刺激でごまかして、自分をマヒさせることで、仕事に合わせて自分の体を動かす。
それをずっとやっていると、具合が悪くなる。一度具合が悪くなると、直すことは不可能に近い。
壊れた体は治らない。
壊れないように心がけても体は壊れる。
治ったと思っても、元の状態にはならない。
それは、残酷な真実だけれど、今まで生きてきた経験から受け入れなければならなかった。
どうあがいても、元に戻らないのだ。
希望を抱いていた時もあった。けれど、希望は必ず深い絶望を呼び寄せる。
治らないのだと開き直って、治らないなりに生きていくしかないと気が付いた時、わたしは泣き続けた。
普通の暮らしはあきらめないといけない。普通の人のような楽しみをあきらめなくてはいけない。
そう思った。
でも、今のわたしは、楽しいことばかりだ。無理をしない生活を選び、その中で楽しいことをしている。
楽しいことをするために全力を尽くせば、可能になる。
やる気の問題だけとは言わないけれど、望みを持たなければ、誰も自分のために動いてくれない。自分の欲することをかなえるのは自分なのだ。
具合が悪くても、世界は広いということが分かる。
疑問を持ち、真実を探索することによって、見える世界は広がる。
病気を言い訳にすることはちっとも悪いことじゃない。生きるために必要なのだ。
でも、病気に閉じこもっていても、やっぱり年月は経っていく。
相反するようだけど、病気の体でも無理をしてでも、自分の望むとおりに行動することで、自分を生きることになる。
健康になるために、全力を傾けていてもよくない。無理をし続けてもよくない。
病気なりに無理をしてでも、自分が経験したいことを求めていくことが、今のわたしには大切なことだ。