わたしは人とうまくやれないなと気付いたのはかなり幼い時だった。なにかなじめなかった。
そのまま大人になって、自衛として礼儀正しくしようと心がけた。感情をおもてなしするのは難しくても、礼儀正しさというのは、理屈で積んでいけるものだからだ。
礼儀正しくない人は、価値観が合わないから付き合わなくてもいいとルールも定めた。
だいたい、人と人とうまくいかないのは、距離が近すぎることが問題だ。
人はさみしくなるものだから、距離が遠いと感じたら、近づく努力をする。そうして、双方が納得すればより親しくなるし、そうでなければ疎遠になる。
自分が疎遠になることを決めたらその理由は知っているので納得しやすい。でも、相手が疎遠になることを選んだ時、心がちりちりと痛む。
痛みをなんとかしようとして、より大きな問題を引き起こしてきた。たいていは、その人に向かって理由を問いただそうとしたり、無理やり連絡を取ったりすると事態が悪化する。
だから、疎遠になったことに気付いたら、自分で気を紛らわせることをしたほうがいいい。
疎遠になった相手と話せることは何もないのだとわかるようになってから少し経つのだけど、まだ慣れないでもいる。
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