男でも家事をする人はいるのだ

六帖さんは、全部の家事をする。

洗濯して、料理三食作って、洗い物をして、風呂掃除して、ごみを出す。
ごみを出すのも、ごみ袋買って、ごみ集めて、分別して、ごみの日を把握して、出す。
わたしが言うこともないし、指示も出さなくても、全部やる。
冷蔵庫の中身も全部把握して、悪くなりそうなものを漬物にしたりシチューにしたりする。
簡単だよ、と言ってやる。
簡単じゃないよ、と思う。

最近私は具合が悪くて、寝たきりになっている。
マッサージをしてもらうこともある。

わたしは、強い人みたいに思われることが多いけど、体が弱くて、頭脳労働しかできない。
六帖さんは家事をしたうえで、働いて、わたしの世話をしてくれる。

フェミニストはもてないと思っている人もいるだろうけど、わたしの歴代の恋人は全員家事ができた。
あまりやらない人は出て行ってもらった。家事をしない人や、男尊女卑の人はそもそもわたしに近づかない。
わたしを好きになるということは、わたしに価値を見出すということで、わたしが何をするか、何ができるかという部分に、家事や「女性らしさ」が含まれていない。

わたしの創造性や、面白さ、ユニークさに価値を置いてくれる人ばかりだったから、わたしは、女性らしさを求められていなかった。
化粧もしないし、おしゃれもしないけど、それでいいと思っている人しか近づいてこない。
そういうのは、楽だったなあと思う。

六帖さんは、最近物理と音楽に興味があるからそういうことに付き合う。
宇宙の成り立ちや物理法則、その応用、数式の意味について話す。
わたしはそういう話ができる。
イメージするものを話すと、とても喜ぶ。

六帖さんはOSN(おっさん)物質について悩んでいる。
おっさん物質は、有害なのだ。揮発する。おっさんのにおいは、ラットやウサギに注射すると、半数が死ぬほどの猛毒だ。
OSNは存在するだけで有害だ。
また、OSN文化にも六帖さんはなじめない。
OSNでは、性犯罪自慢、セクハラ自慢、アルハラ、モラハラがあるので、OSNと付き合うことは六帖さんには不可能だ。

世界は、OSN文化で成り立っている。女性文化は、なくてはならないものなのに、影の存在になっている。

六帖さんは年を取って、仕事がなくなっても、家事や、地域のつながりで、さみしくならないだろう。
普段通っている八百屋さんと安い野菜について話したり、おまけをもらったりすることに喜びを見出せるから、生きる力は強い。
(毛根は弱い)

OSN文化は、自分の体を省みない。いつまでも丈夫で、動くと進行したうえで、働いている。だから、OSNの寿命は短い。

六帖さんを家事ばかりやらされてかわいそうだという人もいるだろう。
しかし、本人は、そういうことができて楽しいと述べている。

c71の著書

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