「この人といると、気持ちの上下が激しい」「取り乱したのに、受け止めてくれた」という体験があったとしたら、考え直さなくてはなりません。
それは、情熱的なのではなくて、相手が、「取り乱すこと」を誘発しているのかもしれません。
取り乱したところをケアしてもらえれば、相手に、恩を感じます。
操作性の強い人はそれを熟知しているので、相手が取り乱すようにこっそり仕向けます。そして、取り乱したところを、ケアします。マッチポンプです。
無視をすることも操作の一つです。操作性の強い人は、相手の価値観を壊して、自分の価値観が強いと植えつけます。操作される側は、その人に対して恩を感じているので、その人のことを周りに対しても、自分に対しても、正当化します。
支配から離れようとする人に対して、弱音を吐いたり、弱いところを見せたり、不安定になったりするのも操作性の強い人の特徴です。そうすると、操作されている人は、操作する人のケアをします。自分のしたいことを後回しにします。それは、危険な兆候です。
本当に、愛があれば、相手のしたいことを邪魔することはないからです。
そういうことを繰り返しているうちに、依存関係に入ります。
しかし、その依存関係は、相手が作り出したものです。ケアし、ケアされることが、濃い関係であって、愛情のあかしだと勘違いしてしまうのですが、それは、偽物の感情です。
愛というものは、お互いを慈しむものです。相手を非難したり、困らせたりすることは愛ではありません。
お互い自立していたら、甘えることが怖くなくなるでしょう。
自分の境界線がはっきりしている人は、自分なりの線引きがあるので、そちらのほうで甘えすぎをきっちり拒絶してくれます。
だから、怖くないのです。できないことをできる、というのは、境界線を崩されて、操作されている証です。
大人同士の関係で、お互い尊重しあっていたら、取り乱すことはありません。つらい経験も、今は起こらないと受け止めてくれるのが優しさです。何度もつらい思い出を思い出さそうとしたり、無理を「無理じゃないでしょう」と言って、強いてくる人は操作性の強い人です。
操作性の強い人は、自分の支配力を楽しみます。
彼らは空虚な人なので、満たされて満足することがありません。