わたしは文章を書くマシーンじゃない

わたしには心がある。
だから、気持ちを大切にされないと傷つく。
傷つくしいやな気持ちになる。腹も立てる。何もかも受け止めたりは出来ない。
どちらかというと狭量な方だ。
わたしは文章を書くマシーンじゃない。
結果的に誰かに娯楽を与えることになっているかもしれないけれど、自分のために書いている。
そうでなければ、こんなにたくさん書けるものか。
こんなに続けられるものか。

わたしも、人の気持ちをうっかり大切にしないときがある。
そういうとき、相手が怒って疎遠になるとか、縁が切れるとか、そういうことは仕方がないと思っている。
ただ、とても後悔する。だけど、わたしにできることはない。
相手の選択を尊重するしかない。

わたしも、自分の気持ちをないがしろにされたら、その人のことをないがしろにする。
話が通じない人や、いやなことをしてくる人を、説得したり、教育したり、わかってもらう努力をするほど、人生は長くない。そして、得るものはほとんどない。相手がわかったといったとしても、本当にわかったのかもわからないし、それで、わかってもらったからといって、こちらが得るものはない。
最初から別の世界で生きていると思った方が、軋轢がなくて良い。
社会を構成するために必要な、最小限度の約束事をお互い守っていたら、殺したり殺されたりすることも少ないので、それ以上のことは望まない。

わたしは本当にいやになった。
いやな気持ちだ。疲れたし、本当にいやだ。
わたしには心がある。それを尊重してもらいたい。
そうでなければ、わたしも尊重できない。
わたしは機械じゃない。機械だってメンテナンスが必要だ。
この世にあるものすべては崩壊に向かっている。
わたしだって、崩壊しそうなものを、毎日立て直して、再生しながら生きている。

c71の著書

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