なりたいものになれなかったけれど

大学の同期の年収がわたしの二倍だった。
けっこうショックを受けた。
同じスタートだったのにね。

でも、彼はわたしと違う。体力もあり才能もあり、努力もでき、人とうまくやる才能がある。
わたしにはない。

わたしは自分のなりたいものになれなかった。
でも、なりたいもの以外に才能があった。才能というか適性って言ったほうがいいんだろう、とにかく続けたいし、毎日が楽しい仕事につけた。
そう思って、自分を慰めた。

お金はいくらあってもいい。
他の人より抜きんでたい。
自分が素晴らしいと思っていたい。

わたしが、挫折しなかったら出会わなかった物事を、わたしは愛している。
生徒さんはかわいいし、お客さんのことも好きだ。役に立てると生きてていいんだと思える。
お金は、わたしに「生きていていいよ」というメッセージをくれる。
エンジェルカードで毎日同じカードが出る。
それは、勉強をして、明晰な感情で、他の人に分かち合うこと。

普通になって、成功したかった。
でも、現実の私はそうじゃない。
だけど、いろいろなことに折り合いをつけられるようになった。
それは、成長だし喜ばしいことだ。
身体に居心地の良いものも探し始めている。
好きな化粧品やクリーム、オイル、香りのするもの、気持ちの良いシーツ。オーガニックコットンのパジャマ。
バスソルト。
入浴すること。
じわじわ楽しいことがある。

年収は低いけれど、どうにか暮らしていける。
人のことをうらやましいと思う気持ちは消えない。
でも、そのことは持っていてもいいんだろう。
しばらく苦しみたいと思う。

c71の著書

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