主治医に繰り返し言われたのは「今親御さんは元気で、しかも大人だから自分の問題は自分で解決するべきだ、だから、なるべく親のことを考えたり、親のために何かしたり、したらだめだ。なるべく会わないように」ということだった。
それを信じるには長い長い年月が経った。
バリアをはって、親の言うことを効かないようにする工夫をしていたけど、それは最悪な状況での最善な行為だから、そもそも最悪な状況を脱しないといけなかった。
親が歩けて元気で、全然問題ないのに、親のために生きないといけない、って思っていた。
親がかわいそうだった。
でも、なんで、親のことをかわいそうに思い、自分の身を捨てて尽くしていたんだろう。
あの年月は無駄だった。
そのことを後悔した年月も長くてその後悔も無駄だった。時間をいっぱい無駄にして、もうこれ以上は一秒たりとも奪われないと決意した。
親なんていなくても、わたし元気でやってられる。
親にそれはやめたほうがいいと忠告されたことを、全部無視したら、うまくいくことがたくさんあった。
力を奪われてたんだなと思う。
ようやく自分の人生を始められた。
そのためにはお金を自分で稼ぐのが一番だ。
そういうことに気付けたから、無駄な時間を二度と作らない。
広告