学問の起源

学問は、ギリシアで生まれた。
最初は哲学、そのあとに、音楽と文学が生まれた。
文学というのは、詩や歌を指す。
詩や歌を神にささげた。哲学も、神にささげるものとして生まれた。
その後、天文学、数学という順で発展する。物理と数学は不可分だった。

紀元前300年ごろ、ユークリッド原論ができあがる。
アラビア数字も、零もまだ発明されていないから、言葉だけで、定理を説明している。
この原論をもとにして、今の中学、高校の数学は行われているので、まとめてユークリッド数学、と呼ばれている。

一とは何か、自然数とは何か、と具体的に考えると難しい。
でも、ユークリッドの考えた世界の中のルールに沿って、勉強しているのだと説明すると、生徒は、何のために勉強しているのか納得しやすい。
ユークリッドさんが言っているんだから仕方がないよね、となる。

ユークリッドさんの時代には、まだ数字がなかった。
だから、全部、数直線で計算があらわされている。もしくは、ギリシア文字で数字を代用している。
そのため、高等数学にはいまだにギリシア文字が使われる。

ユークリッドさんは、一が一じゃなくても、成り立つような汎用性を持った定理を考えた。
だから、無理数や、虚数が発明されても、ユークリッドさんの考えた世界の中で遊ぶことができる。
ユークリッドさんの思いつかなかった世界の数学は、ほかのところで行われている。

そういう話を生徒さんにすると、とても盛り上がる。たった一人の考えた世界が、いまだに通用している。

数字がない文化はたくさんある。数字がなくても計算ができる。
ただ、数字は持ち運びをしなくてもいいので、簡単に共有できる。digitalなのだ。

ロープや数直線は、アナログである。

それから、ずっとあと、ピタゴラスは、ピタゴラス教団を作った。
ピタゴラスは三平方の定理を、教団のシンボルマークにしていた。
世界は数でできていて、必ず割り切れる、というのが彼の考えだった。
しかし、三平方の定理から求められる数は、無理数だ。
分数では表すことができない。

そのため、そのことを発見した弟子は殺された。
数学を勉強することができるのは僧侶だけだった。
計算自体は、商人も勉強できたが、数学は世界の心理に触れるための、神聖なものだった。教義だったので、漏らすことが禁じだれていた。

無理数だったことは、しかし、一人が発見した時点で、ピタゴラス自体も知っていた。その以前からも知っていただろう。
そして、教団は瓦解する。

正しいこと、真理は広まっていく。それと同時に知るべきことも増えていく。

今日考えていたのは、ビッグバンのことだ。

独楽をモデルに考えた。

独楽を回すと、遠心力がかかる。そして、重力が中心にかかるので、立つことができる。

すべての物質には、崩壊したいという意思と、自分の姿を保ちたいという意思がある。

自分の姿を保ちたい、という意思がより強く働いたものが有機物であり、生物であると考えている。

では、崩壊の意思、エントロピーとは何だろうか。

独楽を回すときに、テーブルがないと、独楽が回ることはできない。
テーブルには摩擦力がある。
摩擦力が、独楽の回る力を奪う。しかし、独楽が回る前提には、テーブルの張力が必要だ。

宇宙も回転している。ビッグバンの時点から、質量保存の法則から、宇宙全体の質量は変わっていない。
宇宙は膨張している。ということは、その外に、何か他の概念による、「空間」「時間」に相当する概念の何かがあるはずだ。
しかし、わたしたちは、それを認識することも、名づけることもできない。

回っている独楽が、テーブルのことを認識できないように。

わたしたちの宇宙を回し始めた瞬間をビッグパンと呼ぶとすると、独楽を回し始めた手があるはずだ。
その手の持ち主のいる場所では、テーブルの持つ平面が必要だったのだろう。
平面がなければ、独楽が回らないように、宇宙が回り始めるためには、何かが必要だった。
テーブルに、摩擦力が存在するために、独楽は必ず泊まる。
独楽が回るために、必要なテーブルが独楽を止める。
それと同じことが、宇宙にも起きていて、宇宙を回すために必要な前提が、宇宙にある物体を崩壊せしめるのだ。
だから、崩壊に向かう法則、秩序が失われる現象、エントロピーは、我々の世界のルールから来たのではなく、宇宙の外の都合によるものだという仮説がある。

このことについて、議論している時間がとても楽しかった。

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