いよいよ障害者手帳をもらいました。
もらう手続きは簡単だ。
まず、役所で、申請書をもらう。
病院で、診断書を書いてもらう。
申請書の名前と住所の欄を埋めて、印鑑を押して、提出する。
認められるのを待つ。
手紙が来るので、印鑑を持っていく。それだけ。
簡単だ。
障害者手帳を初めて手にして、「いよいよ障害者なのだ」と思った。
別に震えたりも泣いたりもしなかった。けど、ショックのような動揺はあった。
恥ずかしい気持ちもあったし、取り返しがつかないような何かに足を踏み入れたような気がした。
でも、それは「自分の中にほのかにある差別意識なのだな」と自覚したら消えた。
あとは、提示するためには持ち歩くのがめんどくさいという気持ちだけが残った。
障害者手帳をもらっても、別にあまり変わったりはしない。
すごく便利になるわけでもない。
でも、障害があるせいで、思い切り働いたりはできない、足かせのような部分の、ちょっとしたことは助けてもらえる。
税金が少し安くなったり、交通機関が少し割り引かれたりする。
でも、それだけと言えばそれだけ。
それで十分じゃんと言えば十分。
でも、手帳があっても、障害が打ち消されるような魔法はなかったのだった。
なんとなく、障害者手帳が手に入ったら、障害がなくなるような気がしていた。
そのくらい楽になるのかなって漠然と思ってた。
でも、当たり前だけど魔法はなかった。
それにびっくりした。
びっくりした自分にもびっくりした。
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