感情を大切にすることに意味がないと思ったことがあった。
そうしていたら、嫌だということを嫌だと気がつかなくなって、ずいぶん人権を踏みにじられた。
わたしは、そのために入院した。
今では、いろいろな感情が出る。
不安、焦り、恐怖から始まって、幸せを感じることも、わずかながら出てきた。
怒り、憎しみも大切だ。わたしを搾取しようとする人から身を守ることができる。
わたしは、自閉症スペクトラムという言葉を知ってから、ときどき「ああ、今、わたしは自閉症スペクトラムが高い台詞を言っているな」と気がつくようになった。
たとえば「あなたは子どもだね」と言われたときに「わたしは、成人している」と言い返してしまうようなときだ。
わたしは、そういうときに、泣いて、事実と違うと抗議してしまう。
もちろん、「あなたは子どもだね」の意味は「あなたは成人していない」という意味ではないし「あなたは成人しているとは思えないほど成熟していない」という意味とも違う。けれど、調子が悪いと、わたしは瞬間的にそれを認識することができない。
わたしは、嘘を嘘だと見抜くことができない。
相手が言ったことを、記憶して、時系列順に並べ、矛盾していることがあると、ようやく嘘だとわかることもあるが、今まで学習してきた事例で、「相手の気が変わるので言うことが変わる場合もある」ということもあったので、「嘘というわけではないのかもしれない」と思ってしまう。
わたしは、そういった面がある。
そういった面を利用されて、お金や、性をだまし取られてしまうことがある。
ただ、避ける方法が一つだけあると、教えてもらった。
それは、「心の中のアラーム」と、先生は呼んだ。
心の中で警報が鳴ったら、とにかくその場を離れること、と教えてもらった。
雰囲気を壊すかもしれないだとか、相手の気分を悪くさせることを恐れなくていい。とにかく、その場を離れること。そして、後で、大丈夫だったら戻ること。
わたしは、相手の欲求に笑顔であわせてしまう。それが、わたしが望んでいないことでも、わたしは自分のことを「へんだ」と思っているので、「相手の価値観が正しいはずだから、相手の欲求の方が社会的に正しいのだろう」と思って、合わせてしまう。そうして、搾取されてしまう。
その構図は、理解できるのだけど、実践できない。
わたしは、社会的に逸脱することや、他の人に、避けられることや、非難されること、おかしいと言われることが怖い。
それは、わたしがおかしいからだと思う。だから、おかしいことをばれないようにしないという気持ちがあって、そこをつけ込まれてしまうのだと思う。
わたしは、対人関係において、負の感情を大切にしようと思う。
疲れた、とか、会いたくない、とか、あの人は嫌いだ、とか。
ときどき、寂しくはなるけれど、搾取されるよりは多分良い。
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