- 作者: 泉流星
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: 文庫
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自閉症スペクトラムのカップルの綴った、エッセイである。
表紙が可愛い。
これは、以前取り上げた
- 作者: くらげ,寺島ヒロ,梅永雄二
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2013/09/10
- メディア: 単行本
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と違って、ぐっと大人の愛である。
女性の発達障害特有の問題点について – ある精神病患者の一日
に、対する答えかな、と思います。
特に、妻さんが、どうして妻さんと結婚したのか、寝る前に、お話をねだる話が可愛い。
ここでは、妻さんのできることがおおいに描かれている。
地図を読める、リサーチ力が強い、旅に慣れている、自分から仕事をとってくる、サイトを運営する。その一方で、自閉症スペクトラムとわからなかったあいだは、二次障害に苦しみ、お酒の罠に落ち、二人の仲が危機なって、その中で、「お互いに」理解、できることを歩み寄っている。
ここでは、二人は、お互いにお互いを正しく「依存」している。
相手をなにもできない人間だと思っていない。ここには、お互いに対して、リスペクトがある。
ボクの彼女は発達障害のなかでは「あおさんは発達障害だ」ということしか描かれていなかった。彼女は可愛いことはよくわかったが、それ以外のことが伝わってこなかった。弱く、いとけないものとして(実際にはわからないが、くらげさんの目を通してということ)描かれていて、わたしには、そこが不満だった。
女をそういう風に、扱ってはいけない。
この本は、二人の男女が、夫婦の危機を乗り越えるということ、普遍的な、生きるための技術が載っている。だから、自閉症スペクトラムの人でなくても、読んで面白い本だと思う。
アルコホリックになっても、生き延びた一人の女性の生き方が力強く描かれている。
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