わたしは、息が止まったあと、混乱した。
意味もわからず涙が出た。
動悸がした。
それで、起きたことを友だちに話した。
そうしたら、それは「ひどいこと」が起きたのだと教えてくれた。
わたしは悲しいことやつらいことを話すときに主語がなくなるのだと教えてくれた友だちだ。
それは、昔人生を乗っ取られて、人格を失っていた時代のせいだと思うのだけど。
今は、「わたし」のからだが悲しいと教えてくれる。
わたしは、次の日、いろいろな人、病院の先生にも、話した。
やっぱり「悲しい出来事」だった。
だから、うまく事情は話せなかったけれども、だいたいの経緯を伝えたら、それは、とにかく「わたしの悲しさ」ということだとわかった。
わたしは文章を書きたくなった。
でも、書けなかった。
どうして書けば良いのかわからなかった。
絞り出すように、人に話していくうちに、書けるのでは、と思うようになった。
わたしの、大事にしたいことを、大事にしてください、と言ってくれた人もいる。
大事な人間関係を選んで良いのだと教えてくれた人もいる。
絞り出さなくても、言葉にできると良い。
わたしの気持ち。
消えないで。
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