期せずして脱サラをしてしまった。
なんというか、結果的に脱サラ。
地崩れ脱サラと呼んでほしい。
もう、何の覚悟もなく、何の見通しもなく脱サラ。
選んだ訳でもなく脱サラ…しつこい。
今は、半分農家、半分資金稼ぎみたいな働き方が流行っているようだ。
インターネットの人、phaさんみたいな働き方とか、いろいろ。
わたしとの違いは、彼らは自覚的にそうしたこと、わたしはそうではないこと。
ここは開き直って、もう、せっかくだから、そういう生き方をしてみようかな、とも思う。
だって、仕方がない。どうしようもない。そうなってしまったんだ。
働けない。
稼げない、これからどうするんだ…と思うと脱力する。
脱力している間に一日が過ぎる。
それでも、少しずつ病状は良くなっているので、ずいぶん外の世界に対する興味が復活してきた。
以前は、文字を読むこと自体ができなかった。世の中の流れとかもわからなかった。
宙に浮いた眉の中で眠るような日々。
人と会って一時間もしたら抜け殻になるほど力尽きた。
それがどうだろう、今は、ブログを読んで、情報を集めたり、ブログを書いたりしている。
これが単なる躁状態だと言う可能性を捨てきれないのも、精神病患者のチャーミングさだと思う。
今気づいたけど、多分躁状態だと思う。自重しよう。
文章を書いている短い間ですら、ぐらぐら揺れるのも精神病患者の愛嬌だ。
ブログを読んだところ、みんな、ITで稼いでいるらしい。
アフィリエイトだとか。
脱力。
途方に暮れた。
ITとお金を稼ぐところの途中が全然わからない。
プログラムは頑張ればできるようになると思う。
でも、その先、どうやってお金に変換するのか、ちっともわからない。
プログラミングしてから考えればいいのか。それはそうか。
というような思いで、頭がぐらぐらして、はっと気づくと二時間くらいたっている。
わたし、精神病患者はすっとろい。
会社はできれば辞めたくなかった。辞めずにキャリアを積んだ方が良かったと思う。
ろくなキャリアにならないうちに辞めることになった。
すぐ仕事を探せばいいという人もいたけれど、それは無理だった。
わたしの病気のことは、わたしとわたしの主治医にしかわからない。
だから、説明しても、反論しても、どうしようもなくて、だから、人はあきれて離れていった。
そういうものだと思う。
だから、辞めなくてもいい人が、前向きに辞めることを、尊敬はしても、実感として、どうしてその選択をしたか、飲み込めない。わたしは、未練たらたらだ。
それでも、今やっているアルバイトはとても楽しい。
働くことがこんなに楽しいことだったのか。知らなかった。
アルバイトは、わたしと社会の接点だ。
一番誇らしいことは、納税していることだ。
会社員をしているときには、働くことはいやで仕方がなかったし、毎日がだるかった。
一生このままなのか、うだつがあがらないのかと思っていたし、いらいらしていた。なるべく楽がしたかったので、愚痴が多かった。税金も納めるのはいやいやだった。
一生懸命働いていたつもりだけど、今思うと、やる気がなく、手間ひまに対して鈍感だった。
だから、やることはいっぱいあって、やっているつもりだったけど、実際には何もやっていなかった。
そういう低いレベルの状態が、会社の家畜と言えなくもなかった。
自分の意志を持っているつもりだったけれど、悪い意味でプライドがなかった。
それに比べて、一生懸命、骨身を惜しまず働いている人は尊敬する。そういう人は、すばらしいと思う
アルバイトを始めて、楽しいことがだんだん増えてきた。
映画を見ることも楽しいし、本を読むことも楽しい。文章を書くことも、絵を描くことも楽しい。
眠ることも幸せだし、朝に焼いたトーストにオリーブオイルをかけるときは、本当に一番嬉しい。
これからも、趣味を少しずつ増やしたいと思っている。
将棋もしてみたいし、勉強もしてみたい。資格にもチャレンジしてみたい。
アルバイトに対しての方が、責任感が持てている。
この一時間がいくらになると思うと、熱が入る。
書いてみて気がついたけれど、わたしは病気になって、得たものが結構あるみたいだ。
どうして、健康なときに、気がつかなかったんだろう。
健康なときに気がついていれば、最強な生き物だったのに。
わたしは気がつくのが遅かったけれど、他の人は、みんなこういう幸せを知っているんだろうと思う。
選んだ訳ではない脱サラだけど、なってしまったものは、仕方がない。
仕方がないと思ってしまった以上、先のことはあまり心配せず、今のことを一生懸命やろうと思う。