ジルスチュアートのワンピースを妹にあげた。
二年間着なかったからだ。
どうして着なかったのかわからない。高くてきれいな服を着ない傾向にある。
ラメがキラキラしていて、ニットが透けていて、とてもきれいなワンピースだった。
捨てるにしのびなく、かといって、着なかった。
あげてから、着ればいいのに、と思って、後悔して、取り返したい気持ちになった。
返すよ、と言われたけれど、断った。
わたしは取り返しても着ないだろう。
人のものだからうらやましかったのだ。
彼女にワンピースはとても良く似合った。
若いときにしか似合わない服がある。
彼女はとても嬉しそうだった。
若さがすばらしく目に映った。
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