男尊女卑に染まると、成績が伸び悩む

統計やデータを必要とする人は、読まないでください。
わたしは、データも大事だけど、現場の感じていることも、貴重な情報だと思うので書きます。
聞き取りやフィールドワークも研究になるのだから、データデータという人はちょっと滑稽にも感じるのだけれどそれはおいておいて。

スマホを手にした男子高校生は、男尊女卑に染まります。
スマホを持つまで、ネットを見る時間が長くなるまでは普通の子だったのが、ネットの記事を読みだすと、お母さんをバカにし、目上の女性をバカにし、年下や同級生もバカにするようになります。
すると、周りから人がいなくなります。
そして、「理解されない」という恨みを抱き、「理解しないほうが悪い」と思考が転換していきます。
そうすると、ますます、ネットの男尊女卑にすがるようになる。
男尊女卑というのは、妄想です。
男というだけで、素晴らしくすぐれている、という妄想です。
だから、それに染まると、まったく努力をしなくなる。
しなくても、自分は男だから、で止まってしまうようです。
それに、努力はすればするほど、いかに自分が卑小な存在か突きつけられるようになりますからね。
一度、男尊女卑の甘い蜜を吸うと、その「卑小な存在だ」「何もできない存在だ」ということに耐えられなくなるみたいです。

ネットに、コンビニに、本屋に、ポルノ的なイラストや、ポルノそのもの、性暴力があると、何が悪いか、というと、自分が女性に性的嫌がらせをしても、「許される」と思い込んでしまうという弊害があります。
男子高校生が、「女性の裸に近い姿のイラスト、ポーズは煽情的」なものを見せてきて「どう思う?」と聞いてきました。
それは、性的嫌がらせです。だから、わたしは、その子と話すことが嫌になりました。
でも、彼は、そういうことをしても、いいと思っているからそうしたわけです。
だって、性的嫌がらせをしても、女の子は赤面したりキャーというだけで許す、という物語があふれているからです。
環境的にも、ポルノはたくさん売られています。だから、そういうものを、女性も見慣れているし、見せていいんだと、彼は勘違いしたんだと思います。
だけど、そういうことをしていると、人に嫌われます。当たり前だけど。
人に嫌われると、適切な助言をしてもらえなくなります。男尊女卑があるから、わたしの勉強に関する助言も聞かないです。

それどころか、わたしに「母親たるもの」というような説教をしてきます。

そういうことをするのは、彼女がいる子もです。モテないからそうなるとは限らないのです。

全体的に女の子は、教えれば、成績が伸びます。やる気もある、努力もする、伸びないわけがありません。
でも彼女らがしっかりしているのは「女の子だから」と抑圧されてきた結果だから、それはそれで、わたしはひっかかりを感じています。

「女の子は浪人を許さない」「女の子だから、そんなに上を目指さなくていい」「そもそも教育は必要ない」という保護者はまだまだ大勢います。だから、女の子は「子供時代のリミット」を常に目の前にぶら下げられているため、しっかりせざるを得ないのだと思います。だから、女の子は、能力が高くなりがちです。

男の子でも、勉強ができる場合があって、それは二通りです。
教育熱心な家庭であるか、お父さんがお母さんを尊重する家庭であるか、どちらかです。
でも、本当にそういう男の子は少ないです。なかなか根深い問題です。

男尊女卑というのは、男と女が世の中に二通りだけ存在しており、男というだけで偉い、と妄想する、妄想の中でもきわめて雑な妄想です。
客観性がないのだから、もちろん、学業も伸び悩むのも当たり前かもしれません。
男尊女卑の染まることで、その人の能力が限定されてしまうのだとしたら、差別者自身も、不幸せなことだと思います。
差別される側は言うまでもなく。
(ただし、差別が存在して、世の中を動かしているので、下駄を履かされている男性が、能力が低くてもそれなりの地位に就けるという現実もあります。その現実自体が、男性の能力を制限する過程を再生産しているともいえます)

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