自閉症気味の人が意味別に把握することの困難さと困り感

c71.hatenablog.com続き

アスペルガーの人で、ヘルパーさんに何を頼むのかちゃんと言えない人がいて、それで、困ってるという相談を受けた。

ヘルパーさんのほうも、良かれと思って、生協で頼むのを一緒にやったり、片付けもやったりするんだけど、本人が固まって具合が悪くなっちゃうんだって。

だから、その相談に乗った。

カミングアウトしてからも、困難があるのよね。
それは、あらかじめ、それこそ「症状がある」ってわかっているプロフェッショナルの人も困惑するくらいの。

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だから、医療系、福祉系の人にカミングアウトしてからも困難は続く。

助けて、こうしてほしい、っていう容貌を出せないと結局、カミングアウトの効果も薄らぐ。

お互い、どうにかしたいって、必死で思っていても、「話せる」ってことは偉大で、でもそれができない障害だから困るよなと思う。
自分の望みや何に困っているかを整理したり、感じたり、理解したりしてから、それから、さらに外にそれを出す、表現するっていうハードルがあるから。

わたしは、意味でものを分けられると分からなくなるから、「形」「色」「用途」で分類すると助かるって話をした。
そして、うちには雑誌がないんですよ、って話した。それなぜかというと、雑誌は写真があるし、色が多いから苦手で見られない。なので、生協のパンフレットは荷が重いのではないかということ。もちろん、騒音と色とにおいの氾濫したスーパーマーケットよりはずっといいんだろうけど。

わたしの場合、スーパーへ行くと頭がぐらぐらして何もかも必要に思えて、余計なものが目に入ると買ってしまうので、最近はほとんどコンビニとネットで買っている。

ので、生協では同じものを毎回頼んで、同じものを同じ場所にしまえるようにしたほうがいいし、食べるものも、同じものを食べるのが苦痛じゃないから、同じものを作って、ゆっくり動いてもらうように頼むといいって話をした。

生協のパンフレットも、「今週見るもの」「もう見たもの」「捨てるもの」で収納してもらったらしいんだけど、それを再現しようとしたら、困って途方にくれたんだって。
それは、わたしにもできない。どれも同じように見えるし、日付を確認して、いるかいらないか判断するなんて絶対嫌だ。

それくらいだったら、紙類、食べ物、衣類、ってジャンルで分けて片付けしてもらったほうがいい。
使用済みはここ、ごみはここ、とか全部決めてほしい。
今週頼みたいものを入れる箱を作るとかね。

最初ヘルパーさんを頼む時「ゆっくり動いてゆっくりしゃべる人」っていう風にリクエストした。
でも、その要望を「思いつかないし」「伝えられない」って人もたくさんいる。ヘルパーさんは良かれと思って、短時間で、テキパキ仕事をしたくなる生物らしい。

今は慣れたからテキパキやってもらっても構わないし、嫌いな掃除機かける音すると布団にくるまって逃げてるけど。おしゃべりも楽しむ。

自分の困っていることを整理できない症状だと大変だなと思った。
ヘルパーさんは、発達障害について、何か、講習を受けたわけじゃなくて、自分で本を読んで勉強して、わたしに接してくれている。
わたしの書いたものを読んだり、説明を聞いたり、質問したりしてくれる。
そうやって、自閉症気味の人の気持ちをわかろうと個人の努力でしてくれている。
それでも、一人ひとり同じ診断でも重さも困っていることも違う。それでも考える材料になるのはいいらしい。

最初に来たヘルパーさんはわたしの生活を変えることに慎重で、クローゼットの中をひたすら整理するのを手伝ってくれた。
それでずいぶん安心したものだ。季節ごと、素材ごと、用途ごとに分けてくれた。
三年後、それが、自分でもできるように、クローゼットの中に入れる引き出しを相談して買った。
それ以来、ある程度できるようになった。
それでも、自分で引き出しにものを入れるまでに三年かかった。自分でできるようにする環境や、必要なものを考えるのに、時間が必要だった。

フォルムを把握することはできても、意味を把握することができないから、手順を作るのに苦労する。
そして、変化に弱いから、変化するためにじわじわ動かないといけない。考えづくめたけど。

わたしは失敗が怖い人間だったから、買い物をするのも勇気が言った。無印の引き出しを買ったのは躁状態の時の発作だったけど、でもいい買い物だと思ってる。あと、お金も必要だから、買うのも難しいしね。

オブジェクトの性質は理解できても、その意味を理解するのが難しいってのは共通点かも。
意味を理解して、意味を伝える、意味別に処理されると分からない、ってのが、一つの困り感かなと思う。

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