女性差別と女性の就労問題

女性は、勉強していようが、能力があろうが、安く買いたたかれる。
年収一千万以上の女性は、ほとんど医者しかいない。男性の占める割合よりも、ずっと少ない。
正社員同士で比較しても、女性の賃金は、六割を切っている。

例えば、わたしは二つの学資を持っているから、勉強したとはいえるはずだが、就職市場だと何の価値もない。
もし、仮に、わたしが男性だったら、どうだろう?

旧帝大の大学院を卒業した同期も、開発を希望したのに、美貌があだとなって、社長秘書に回され、人事によって、各部門を転々とさせられたことを理由に、賃金を動機男性よりも低くされた。

一流国立大で、難関国家試験を持っていた、同級生も、妊娠出産以降は、時給800円のパートにつけるかどうか、で、不安がっている。

勉強したら、キャリアがあったら、能力があったら…、時給が上がるなんてとんでもない。
女性というだけで、わたしたちは、仕事をして、お金をもらう、という平等であるはずの場所で、同じ労働をしても、同じ給料をもらうことができない。

じゃあ、わたしは、子供たちに、「努力するのは意味がないよ。結婚して妊娠したら、どうせ、パートの800円でしか働けないから」と教えるべきなのか?

いや、そうじゃない。わたしは勉強の楽しさや自分で調べることのできる能力を育て、伝えたいと思っている。
困ったときに、声をあげられる、戦い方を教えたいと思っている。

女の子は頑張らなくてもいい、どうせ、頑張っても意味がないから。それよりも、楽しく生きればいいという言葉。
そういうのをずっと耳にしてきた。
本人が望んでいることが違っていれば、それは単なる抑圧だ。

最低時給を1500円にしろ、というデモがある。
それに対して、遊んでいたから、能力がないから、怠けているから、時給が高くならないのだ、と言っている人がいる。
それは違う。
努力が足りないのは国であり、企業だ。
人材が不足しているといいながら、人材を活用しようとしない。払うべきものを払わない。
もともと、最低賃金が安いのは、女性が、男性に扶養されることを前提としたものだから、差別構造の結果だ。
それが、男性にまで拡大したから、大騒ぎになっている。

女性差別を放っておくと、男性にまで飛び火する。高みの見物をしていて、切断処理をすることで、自分にはそんな不幸は降りかからないと信じたい人にも、飛び火するだろう。

差別がいけないのは、いけないからだ。だから、女性を差別すると男性も損をするぞ、という言い方は、まったくもって不適切だが、男性に届くためには、こんな風にこびて物を言わなくてはいけない。それも現状だ。

能力があろうがなかろうが、普通に生きられなくてはいけない。それは、国の負った義務だ。
わたしたちの権利だ。

今は、能力がある人ですら、評価されない。
女の人に、育児家事をまるなげすることは、結局、その女の人を雇用している会社の負担を盗むことになる。
それで、盗まれる側の会社は、女の人の査定を低くしたり、雇わなかったり、適切な部署に配置しなかったりする。

わたしは、技術職を目指して、技術的な勉強をしたのに、同じカリキュラムを受けた男性は、ちゃんと技術職に就けたが、わたしは就けなかった。口頭で、女の人にやってもらう仕事はうちにはない、営業くらいしかない、と言われた。
わたしは、そのころ営業をしたいわけじゃなかった。技術職で応募した。働ければ何でもいい、選ぶなという人もいるだろうが、選ぶために、わたしは時間と努力を投資したのだ。それを回収したかった。

男だと、下駄を履かされる。女は、低く見られる。
女をやっていても、気づくと、生きにくくなるから、見ないようにする人も多い。
でも、わたしは、そういうことを見ていたい。そして、喧嘩したい。

わたしのパートナーは、わたしが靴擦れをしたら、代わりにパンプスを履いてくれるような人だ。だから、一緒にいる。そして、結果的に、家計のほとんどを担ってもらっている。それは、運がいいのか悪いのか。
自分の生きるために賃金を、自分で得たいと思うのだが、なかなか難しい。
不本意でもある。
もし、彼が倒れたときにわたしは彼を養いたい。でも、今はそれができない。
働く人が偉いとは思っていない。でも、もし、何かがうまくいかなくなったら必要なのはお金だ。お金のためには働きたい。
それが、高望みになっている現状や、働くことで、いちいち差別に出会う現状を、何とか変えていきたい。
どう変えればいいのか、まだ何も見えないけれど。

ダブルライセンスを、バカにする人は多い。
意味なんてないと。
もし、わたしが男性だったら、同じことを言う人はいるだろうか?
いたとしても、態度が違うはずだ。
だから、わたしは、喧嘩腰でいる。

c71の著書

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