心のアラーム

心のアラームが鳴ったら、それがどんな状況でも、逃げなさいと、精神科の先生に教わりました。

危険だと思ったら、雰囲気を壊すと思っても、相手が怖いと思っても、とにかく逃げなさいと。逃げてどうにかなる人間関係なら最初からない方がいいと言われました。

それが役に立つ日が来ました。

わたしは、塾の掃除をしていました。
そうしたら、いじめをしている人に呼び出されました。
他の教室に連れて行かれ、二人きりになりました。
わたしは恐怖を感じました。

「ここの隅、ここ!ここの髪の毛がこびりついているのをこれでとってください。あなたのだから!」と言われました。
「先々週、ころころでとったんですが…」
「とってこれですか?」

わたしは、その人が見ている前で、掃除機をかけました。その人は途中でいなくなりました。
どのくらいやったらいいのかわからないのでずっと掃除機をひざまずいてかけました。
わたしのアラームは鳴りっぱなしでした。

「汚いままで二階に行けないでしょ?」と言って、その人は机の下を確認しました。
「はい…」と言って、わたしは逃げ出しました。

その足で上司の元へ行き、「わたしは限界です」と言いました。

上司は「今日は無理だから、明日話を聞くから」と言ってくれました。

次の日、上司は笑顔で、「もうないよ」と言いました。

「向こうから、もうしないって言ってきたから。いじめてるつもりはないって言っていました。髪の毛のことがどうしても許せなかったらしいんです。どれだけ髪の毛が散らばっているか見せたかったと言っていましたが、見なかったからわからないし。どちらの言い分もわかるし」

「人間だから、髪の毛も落ちますし、気になることもあると思います。何をどうする訳にも行かないので、これからないということがよかったです」

ということで、解決しました。

心のアラームが鳴って、その通り逃げ出して、うまく着地してよかったです。

髪の毛はわたしのものだろうし、だから、掃除をするのは当たり前だしと思いましたが、他人に話したら、やっぱりそれはおかしいと言ってもらって、わたしのアラームも頑張ったなと思いました。

c71の著書

スポンサーリンク
広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください